毎年8月11日は、我が家のお墓参りの日。小さい頃から、お供えするお花とお線香を持ち家族でお寺に行き、ご先祖様が眠るお墓を拝むのが慣わし。しかし、今年のお盆はいつもと違った。この夏我が家に泊まっていたアメリカの若者John JohnとAidenと、この日を一緒に過ごすことにしていた。
11日朝、その日の予定を話しながらお盆とは何か、日本人のお盆の慣習を伝えつつ、私はお墓参りに行くけれど一緒に行きたいかどうかを尋ねると、「行きたい。」と彼ら。お互いに何の抵抗もなく、その日の行程の一番最初にお寺に行くことにした。お寺に到着、いつものように手桶に水を汲み、祖父のお墓そして祖母と父が眠るお墓を3人で拝んだ。お墓からお墓へ歩き、その間私たちは、ポツリポツリ何かを話したものの多くを語らず。それでも、心の奥のどこかでつながっているような不思議な感覚だった。私自身は、とても穏やかで静かな気持ちでいることができた。
お墓とお墓の間の小道を歩きながら、日本でのお墓参りをどう感じるか聞いてみると、Aidenが言った。“I love ritual. It’s beautiful. “と。そういえば、彼は神社が好きで今回初めての来日中も神社に行ったと写真を見せてくれた。アメリカ人の彼に、お墓参りにはよく行くかを聞くと、自分は亡くなったおばあちゃんと魂がつながっている気がして、おばあちゃんとつながりたい時にお墓に行く、と言っていた。
彼らには、我が家に到着した日に仏壇の置いてある仏間も案内し祖母と父の写真を指して、家族の紹介をした。そこでも彼は、“It’s beautiful.”と。国は違っても、祖先、自分のルーツを大事にする、目に見えないそこにあった何かやそこにいた人を信じることは同じではないか、という気がした。日本の大事な宗教の慣習を海外から来た彼らに伝えられたこと、一緒にこの大切な時を過ごすことができたことで、自分の日本人としての根が少し深くなった気がする。こういうことをritualと言うのか・・・

