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セーラジャーナル

英語さんぽ道

サービスとホスピタリティ

姪と朝のおさんぽ。いつものwalking & talking、私たちはよく本の話をする。「でさ、これってどういうことかな?いいよねー 〜さん。この物語の展開が・・・」ある日、ここのところ2人が読み入っていたザ・リッツ・カールトン・ホテル 前日本支社長 高野登著の『サービスを超える瞬間』について語っていた。


「ところでさ、サービスとホスピタリティってどう違うのかな?」と私。んんん・・・な〜んとなくわかるけど、うまく説明できないなー。

「こちらは、サービスです。」「あのレストランはサービスがいい。」”サービス残業”、”サービス業”、”行政サービス”・・・などという。 日本では無料で受け取るもの、多少なりとも義務感が伴う感もある意味合いとしてサービスは使われる気がする。あくまでも、提供する側が定義したもの。serviceの本来の意味は1.(他人に対する)奉仕、2.公共事業、3.(官庁などの)部門、4.(陸、海、空軍の)軍務、5.(ホテル、レストラン、店などの)サービス、客扱い・・・【研究社 New College English-Japanese Dictionary】などと書いてある。


一方、hospitarityにはビジネスライクなニュアンスには響かない。”Thank you for your hospitarity! ”気軽に友だちを家に招いたり招かれたりするアメリカでは、週末はパーティーがよくあり、帰り際ハグしてホストにお礼を言う・・・”hospitarity”は、耳に馴染んだ言葉、私も友人宅に招かれた際よく使った。辞書によると”hospitarity”は親切にもてなすこと、歓待、優待という意味。


前述の高野氏は、著書『リッツカールトンで育まれたホスピタリティノート』の中で、サービスとホスピタリティの違いを音楽に例えてこう言っている。

「サービスは”オーケストラ” 、
ホスピタリティは”ジャムセッション”!」

オーケストラは、ピアノやバイオリン、クラリネットなど各楽器の音がクラシックの理論のなかで見事に調和して、美しいメロディを奏でていくーシンフォニー。基本は正確さ、全てが計算された秩序のある世界。

ジャズは、楽譜通りに弾くよりもむしろ、いかにして自分の世界を表現するか、というところに主眼がおかれるゆえ、ジャムセッション(即興演奏)では感情のぶつかり合いが起きます。どんな音楽になるかは、そのときになってみないとわかないアドリブの世界。 

加えて、アドリブは基本をしっかりマスターした上で行えるもの。 ホテルにおけるお客様への対応でいうなら、スタッフがマニュアル通りに自分の仕事をこなすのがサービス、マニュアルを習得した上でそれに縛られずに自分の感性をいかに発揮するかが、ホスピタリティ。サービスが、受け手も予測がつくのに対して、ホスピタリティは予測不可能、物語が生まれ、感動が生まれる可能性が高い。

「ホスピタリティとは、心からのおもてなしをすること。そのためには、人が好きであること、人を愛することができることが根底になくてはならない。」と記してあります。

なるほど・・・ホスピタリティは愛なんだ!どんな仕事にも活かせることではないか。マニュアルを超えた感性、愛を内包したホスピタリティで。


いつか・・・と姪と夢みていることがある。

リッツカールトンにステイすること。

日本で最初に開業されたリッツカールトン大阪に行ってみたい。サービスとホスピタリティの違いを丸ごと感じてみたい。”サービスを超える瞬間”に出会うことを楽しみに。



参考書籍:高野 登著 『リッツカールトンが大切にする サービスを超える瞬間』            『リッツカールトンで育まれた ホスピタリティノート』

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