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セーラジャーナル

英語さんぽ道

フランスの小さな駅で

 「そこに行かないとわからないことがある。」伊集院静氏は著書『旅行鞄にはなびら』の中で書いている。

本当にそう思う。旅に出てそう思う。
そこの空気、そこの空、その時の風、飛ぶ鳥の声、そこに暮らす人々の表情・・・

時にはがっかりすることだってあって。
線路のゴミや無愛想なホテルの人、ガイドブックには書いていないその時その場で出くわす何か。

フランスで工場の煙を見るとは思わなかった。
フランスにこんなに黒人が多いと思わなかった・・・
フランスを理想化、美化していた自分の愚かな妄想に気づかされる。

光と影。

その国のその土地の影の部分をほんの少しでも感じられたら、幻想が現実として受け入れられていくのではないか。フランス語には、ちょうどいい言い回しがある。”セラヴィ”それが人生さ。

友人のNadineは「外国に来ると、どうしてこんな思いをしてまでここにいるの?って思うようなことがあるよね。」と最近ロンドンで暮らした日々を振り返る。

そう、「何で高いお金と時間を費やして、こんな辛い思いをして嫌な思いをしてまで外国にいるの・・・」と。穏やかな日常を恋しく感じる。

それでもまた旅に出る。なぜか、導かれるように。
そこに行かないとわからないことに出会いに、私は旅に出る。

あっ、列車が来た。


パリ行きの列車を待つ  駅にて。

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