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ラブレター

 母と喧嘩をした。
2、3日も引きずる結構私にしては大ごと。母との考えの違い、意見の違いは日常茶飯事だけれど、結構飲み込んでしまうか、かる〜く流してしまうことが多くあまり喧嘩にならない。それが、この時は怒りが込み上げて”Leave me alone!!”と心の声、感情的になった。その後、ぎくしゃくした。母娘の関係は、どこまで行っても難しいなあと思う。


6月末、音楽座ミュージカルの舞台『ラブ・レター』を観た。カンパニーの方からお誘いに、一度は断ったもののどうしても気になる浅田次郎著のこの作品。「いろんな人生があるなかで、全ての人の共通の願い「大切な人を心から大切にしたい」という気持ちをまっすぐ描いている作品だと思います。いつか、ではなく、今。」と安寿さん。(音楽座ミュージカル所属)安寿さんとは、数面前にyogaが繫いでくれたご縁で、親しくさせてもらっている。彼女が”薔薇”役を演じた舞台『リトルプリンス』のときからのファン、何度か安寿さんのメッセージを読み返し・・・「今!」と何かに背中を押された。

そうして出向いた東京・町田での舞台『ラブ・レター』。音楽座ミュージカルの作品を観るのは、これが6作目。やはり今回も涙、涙、思い切って観に来てよかった、と心から思った。この作品は、中国から日本に働きにやってきて、生きるために見ず知らずの吾郎さんと偽装結婚をした末、病気で亡くなってしまう白蘭と白欄を巡る人々の物語。一度も会った事のない吾郎さんを白蘭は愛し、病床で吾郎さんにあてて手紙を綴る。「吾郎さんが一番優しかったです。」それがラブ・レター。そんな白欄の思いを何もわかっていなかった・・・吾郎は、自分を責め悔いる。

この作品では、実際には私たちの目に見えていない人々”パッセンジャー”が所々に登場する。亡くなった人、自分の日常では知り得ない世界に生きる人々が浮遊しているように、目に見えない何かを具現化しているようなパッセンジャー。魂は存在する。パッセンジャーが、いつもキミのそばにいるよ、何かを伝えているよ・・・ということなのか。

舞台は、東日本大震災とも重ね、無念にも亡くなった人々も描かれていた。

叶えたかった願い〜
伝えたかった想い〜

ラストシーンで歌われた曲のフレーズが、繰り返し頭の中で流れる。

帰り道、再び『ラブ・レター』の余韻を味わいながら、自分のことに重ね合わせて思いを巡らせてみた。亡くなった人からのメッセージ・・・一番最初に心に浮かんだのが、30年前に他界した父親のこと。49歳で私たちの前からいなくなった父は、猛烈に働き一代で事業を起こした。まだまだやりたいこと、やるべきことがあっただろう。父が叶えたかった願いは・・・

日常に戻り、ある日母が「はい、これ。この前話した手紙。コピーしておけば。」と手渡されたのは、父から母へあてた手紙だった。懐かしい父の字・・・これは病床で書いた手紙。母に宛てた感謝の気持ちとお詫びとが、おぼつかない手元で書かれている。これってラブレター・・・ 「コピーしておけば。」と手渡されたその『ラブレター」を未だ母に返せず、お守りのようにしまっている。

私は、大切な人を心から大切に・・・できているかな・・・

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