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セーラジャーナル

英語さんぽ道

名前の呼び方

高校生14名を引率しての2週間テキサスに滞在した。3日目、1人の高校生に「ホストファミリーの名前教えて。」と尋ねると、彼女は、「えっ? わかんない・・・」と言う。「えぇーー3日間も一緒にいて、ホストママの名前知らないの?!」と、私は驚いたが、その後彼女と話をしてなるほど、と気づいた。「名前聞いたけど聞き慣れない名前で覚えていないし、何て呼べばいいのかわからない。ファーストネームでは呼びにくい。」、と彼女は言った。


確かに日本では、ずっと年齢が上の方々をファーストネームで呼ぶ習慣がない。自分の両親やおじいちゃん、おばあちゃんほどの年齢の方に、「トモゾウ!」「ナミヘイ!」「フネ!」とは言えない。例え知り合いの人でも、名字に~さんをつけて呼ぶのがせいぜいで、役職やその人の社会的立場で呼ぶことも多い。 


私はテキサス滞在中、高校生よりはホストファミリーに近い年齢でもあるし、彼らほどファーストネームで呼ぶことに抵抗はなかった。それでも、会ってすぐ尋ねた。”How can I call you?”と。大抵の人はファーストネームで、Call me Ted. Call me Sue.と言ってくれたので 遠慮なくファーストネームで呼ばせてもらった。中には聞き慣れない名前もあり、その時は何度か繰り返し訊くか書いてもらって覚えた。一旦覚えた名前は、何度も口に出して、事ある度に相手の名前を呼ぶ、これが相手の名前を覚え、相手との距離も縮めると思う。 


また、同僚や仕事相手ともファーストネームで呼び合っているのはよく聞く。上司をファーストネームで、気軽に呼んでいいの・・・?と、役職や社会的地位を重んじる日本に育った私は驚くけれど、彼らには日本ほどの上下関係を重視するようではない。今回テキサスで、お世話になったBillさん。彼は、私達グループの受け入れを仕切っていたリーダー格の方。お会いしたときに、”Hello, Mr. Rains.”と丁寧に言ったつもりが、”Don’t call me Mr. Rains. I feel OLD if you call me Mr. Rains. Call me Bill.”と言われた。高校生のお孫さんを持つ彼に、”Bill!”と呼ぶのは、いささか抵抗があったが、そう呼ぶことにした。本人が呼ばれたいように呼ぶのがマナーだと思うので。 


それでも、誰でもファーストネームで呼んでいいかというと、そうではない。私達が訪れた高校では、生徒は先生をMr.~、Ms.~と呼んでいたし、フットボールクラブのコーチには、Coach Smithと呼んでいた。教わる側、指導される側は、相手への敬意を表してそのように呼ぶのだろう。  また、名前が知らない人に話しかけるとき男性にはSir,女性にはMadam,ma’am(ママの意味の”Mom”とは発音が違うので注意)と声をかける。これは、呼ばれて実に気持ちがいい。テキサスでも、女子高生に、男子高校生に”ma’am”と言われたときは、ニンマリした。きちんと扱われている気がしてうれしい。私をこう呼んだ高校生の価値も上がる。実に爽やかだ。それから、高校生を”Ladies!”と読んでいた大人の男性にも出会って、素敵だなって思った。


  ・・・と、色々な状況によって相手の呼び方は違から、厄介ではあるが、”It all depends.” というわけだ。いつも、Excuse me.と話しかけるのは、よそよそしいし、それ以前に失礼だ。では、どうしたらいいだろう? 最初に、相手にどう呼んでほしいか尋ねる、”How could I call you?”これに尽きると思う。そして、親しくなりたい相手の名前は何度も口に出して呼ぶこと、これで相手との距離が近くなる。小学校の時、先生が一等最初に名前を覚えてくれるとうれしかったでしょ、気に入ったカフェで気づいたら自分の名前覚えてくれていたらうれしいでしょ、それと同じ感覚ですね。

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