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セーラジャーナル

英語さんぽ道

The Missing Piece

「私、自分が欠けている何かを埋めるみたいに恋愛するのかもしれない。」と25歳の彼女。ふんわりした雰囲気でいて、どこか危うげに見える彼女は男性にとってほっておけない存在なのだろう。案の定、彼女はモテル。

「でもね、恋愛してもその欠けている部分って満たされなくて、むしろ不安になって、また恋愛するけどやっぱり欠けている気がして・・・。」と彼女は続ける。しばし彼女と恋のお話・・・

話しているうちに、思い出した絵本がある。Shel Silversteinの”The Missing Piece” 線だけで描かれた、むしろ空間が多い単純な絵本。しかし深い。どこまでも続く一本の横線が道。線の上を”それ”が行く。The missing piece(欠けたもの)を捜して。雨の日も、雪の日も、太陽が照りつける日も・・・虫に話しかけたり、花の香りをかいだりしながら・・・そして、やっと出会えた、と思った私のカケラは、大き過ぎたり、小さ過ぎたり・・・カンペキ!と喜んでいたら、早く転がりすぎて虫に話しかけることも、花の香りを楽しむこともできなくなってしまった。

カンペキ=しあわせ???

ボクは、何か気づいてカケラをそっと置く。カケラをそっと置く。また欠けたボクで、転がり始めてゆっくり歌を歌ったり、虫と遊んだり、花の香りにうっとりしたり。

捜していたカケラを見つけて、完璧になってボクが気づいた”何か”とは何だろう。それがあると完璧だ、それがあるとしあわせになる、と思い込んでいることってあるかもしれない。ある人にとっては学歴、ある人にとってはキャリア、ある人にとっては家族、ある人にとっては恋愛・・・ 事柄はそれぞれ違っても、それぞれの人生のmissing piece。

私もある時までずっと何かが足りない、何かが欠けている、と思い込んでいた。それさえ手に入れれば、しあわせになる、と。がむしゃらにがんばって、その欠けている部分を埋めようとした。それが勉強だったり、キャリアだったり、恋愛だったり。

結果満たされたか?

1つのピースが見つかると、又違うピースを捜そうとがむしゃらになる・・・

そしてある時気づいた。これでは、いつまで経っても何かが足りない。いつまで経ってもしあわせになれない。”これさえあったらしあわせになる”と考えるのは、条件付のしあわせだから。

そうか!欠けていてもいいんだ。埋めようとしなくていいんだ。と気づいたとき、そのままの自分を丸ごと認めることができた。

そうだ、欠けてていいんだ。

すると、欠けているから人とわかり合えたり、欠けているから目に映る景色があることがわかった。そう、The missing pieceのボクが、虫と遊んだり、花の香りを楽しんだりしているように。

missing pieceがあるまま、歩いていけばいいんだ。


その後、欠けている何かを埋めようと恋愛している彼女はどうしているだろう。「貴女は貴女のまま、欠けているままでいいのよ。」そう伝えたい。




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