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セーラジャーナル

英語さんぽ道

TOEICに思う。

 5年ぶりにTOEICを受検した。1日前のにわか勉強だけで挑んだ前回のTOEIC試験から学んだことは、問題の解き方を会得する必要があること、時間配分が大事であることなど。前回の反省から、今回は早めに試験申し込み、勉強を始めた。

TOEIC(Test of English for International Communication)は、数ある日本の英語検定試験のなかでも英検、英検、TOEFLに並びよく知られている英語試験。大学入試のための英語力を占めす基準点になったり、企業によってはある一定のTOEIC点数を求められる部署やTOEICの点数によって昇進する会社もあると聞く。世界共通のテスト、アメリカで開発、製作されているテストではあるが、TOEICの受検者の9割が日本人と韓国人が占めるというから驚きだ。1979年に始まったこのテストは受検料5,725円、試験は全国の主要都市で毎月行われる。日本では年間230万人以上が受検するという。

TOEICテストの構成について少し。リスニング100問45分、リーディング100問75分、最高得点が990点、全てマークシートで答える。結果は、約1ヶ月後に郵送で届く。スコア表には合計点数と共に、各セクションごとの点数も示されるので自分の得意、不得意を知る手がかりになる。またA〜Eまでスコアによる能力レベルが、例えばD(220点〜470点)「通常会話で最低限のコミュニケーションができる。ゆっくり・・・以下略)、B(730点〜860点)「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている。通常会話は完全に理解でき、応答もはやい・・・以下略」と書かれているので、「自分の英語力ってどのくらい?」と基準に照らし合わせて確かめたい方には、一応の判断基準になるだろう。

私自身のTOEIC受検は自分の英語力upgradeのため、そして指導に役立てるため。どこか冷めた目でTOEICを客観的にみつつ、少々批判的。勉強して望むことにした今回は、何かいいテキストはないか、と探していてたどり着いたのがRobert Hilke氏の『頂点突破シリーズ』。Robert Hilke氏は、企業研修トレーナー、異文化研修、TOEIC、TOEFLなどテスト対策のエキスパート。ヒルキ氏自身が何度もTOEICを受検、分析している。痒いところに手が届く、というか「目からウロコ」の説明にAh ha!! とうなずく。

驚いた。
『ロバートルール』なるものには、”1問最大20秒で解け”、”問題文のタイプを見極めよ”・・・などわかり易い例文と共に記されており、各設問がそれらのどのルールに当てはめるかまで説明されている。私はロバートさんの教えの通り、キッチンタイマーで時間を計りながら練習問題を解き、解説を読む、勉強をした。すると・・・段々に各問題のタイプと解き方がわかってくる。恐るべしロバートさん!何にでも、コツと要領というのがあるものだ。正答率を上げるテクニックが書かれてあるロバートさんのアドバイスに多少の反発と違和感も覚えつつ、読みたい、わかりたい葛藤を押さえてひたすら先に進む。


そうして迎えた受検当日5/25(日)。大学の階段教室にびっしりの受検者(他3教室でも同時試験実施)の多くは、大学生くらいの若い人達、ビジネスマン、その中に混じって40代、50代、60代くらいの方々も。試験開始前に試験官から緒注意があり(棒読み!)13:00〜試験開始。2時間の試験が始まった。「集中!集中!」自分を叱咤激励しながら、ロバートさんのアドバイスを思い出しながら、英語を聴いて読んでマークシートを塗りつぶす。問題の解き方にはコツと要領があり、いかに短い時間で解答していくかが要だから、必要ない文章は読むな、と教わっていた。つまり内容を理解していなくても解ける。答えを探せ、と。

終了。「本日は、TOEICを受検下さいまして誠にありがとうございました。」と明らかに何かを読んでいるであろう無機質な試験管のあいさつ。ありがとうございました?!「ビジネスだな。」と思った。英語試験ビジネス。英検然り。書店にはTOEICのスコアを上げるための教本、攻略本が、多数売られている。こちらもビジネス。

TOEIC受検者は年々増加、それにも関わらず、日本人の英語は世界レベルに及ばない。中学からテスト・テストに追われ英語を勉強してきた日本にはTOEICには結果が点数として出るわかりやすく、馴染みやすいテストだろう。しかし、TOEICの点数が高くても、英語を使えない人は沢山いる。英語試験は、あくまでも運転免許証のようなもので、取得後どう使うかが肝心だ。

本来、言葉は全人格を表すもの。TOEIC受検勉強の替わりに英語で本を読むことを、受検料で本を買うことを奨める。言葉は一生かけて豊かにすべきもの、磨いていくものだから。上手に検定試験とつきあいながら、地道に積み重ねていこう。語学学習に王道なし。










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