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ZEN

『ZEN』という名のレストラン、パフューム、お香、映画・・・まるで『ZEN』は日本を象徴するもののように、使われている気がする。日本文化を代表する茶道も、華道も、書道も、懐石料理も、武道も、根底に流れているのは、禅の思想だと思う。

でも、ZENって何? 禅道って? 座禅のこと?

折りしも座禅を体験する機会に恵まれた。 ほんの15分程の初心者向け座禅ではあったけれど、手を合わせて背筋を伸ばして座っていると、心がすーっと正されて落ち着く感覚を覚えた。ピースフル。

しかし、「ZENって何?」の問いには、まだ答えられない。
仏陀は6年間ただ座り続けて悟りを開いたという。
達磨は9年間、座ったという。
一休さんは、語る。
「禅とはあなたの頭の上にあるものだ。屋根よりも、鳥よりも、
雲よりも、天よりも、太陽や月よりも上に、床よりも、大地よりも下にある。
味もなく、においもない。」

・・・・???

疑問を抱えたまま図書館で見つけた1冊の本。『禅のヒント』(パトリス・ジュリアン著 実業之日本社)日本人ではない著者が、1999年から座禅を始め自分自身の体験を通して気づいたこと、学んだことを、初心者の目線でイラストを交えて、シンプルに綴られている本。、禅について疑問をふくらませながら、座禅を組んだということ。

ふぅ~ん、私と同じだ・・・。

『禅のヒント』は、2005年に出版された本。読み終えて、思い出した本を再び手元にとってみた。パトリス・ジュリアン著『暮らしのZen』(幻冬舎)。パトリス・ジュリアンの感性、暮らし方に興味があったのです。私はこの本と出会った頃、得たいの知れない何かに悩み、迷っていた。何のために生きるの?とか何に向かって生きるの?・・・とか答えがすぐ出ない事をぐるぐる考えては、頭はカチカチ、心はガチガチだった。そんなゴチャゴチャだった私の頭と心に、ポーン!と光を投げかけてくれた。この本を読んで、「そっかぁーーー!」とストンと腑に落ちた。答えを探さなくなった。

著者パトリス・ジュリアンは在日20年になるフランス人。1988年フランス大使館文化担当官として来日して以来、これまでに多くの料理本、インテリア本、エッセイ、絵本などを出し豊かなライフスタイルを提案し続けている。  

『暮らしのZen』は”Art”から始まり”Zen”で終わる暮らしの中の身近な言葉と写真で綴られている。A-art, B-bread and beer, C-candle, D-dessert,E-everyday ecology・・・というように。何かを目標にがむしゃらにがんばるのも1つの生き方だけれど、それ以前に日々の暮らしを丁寧に慈しんで、愉しみを見つけていこう、と思えた。

特に、この本のなかで、印象的だったのは、”Life is art”という発想、感覚。呼吸だってアート、愛だってアート、と著者は書いている。以下、『暮らしのZEN』から抜粋。

自分を取り巻くあらゆる「もの、こと、人」と注意深く関わっていこう。自分らしさを作るたった1人のアーティストは自分自身なのです。それに気づくことができれば、何でもない行為の一つ一つさえアートになります。そのとき、きっと宇宙と私的な対話が始まっているのに気づくはずです。
  Art is eveywhere, just let your consciousness on like the lens of a camera,
     stay persent, heart open and watch the flow.

「禅」の行いは、お寺の塀の中に閉ざされたものでもなければ、禅道の世界にだけ限定されたものでもありません。日々の暮らしの1秒1秒に、成し遂げられる行為の一つ一つに、出合う試練の一つ一つに、どこにでもあります。



『ZEN』は暮らしの中に・・・
Aから始まり、Zで終わるこの本。Z(ZEN)の続きは・・・?
仏陀、達磨のようにただ座ってみようか、何も求めずに・・・。 

それがなかなか難しいんだなぁ・・・。


                      Peace with you.






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