歴史を感じさせる趣がある鉈屋町界隈の町家『三喜亭』、その母屋から中庭を進み離れへ。


風に揺れる季節の花々や木々を眺めつつ進んでいくと見えてきた看板『世界食堂』。


ここは、月替わりで世界各国の料理とワインを楽しませてくれる期間限定のレストラン。一つの国をテーマにオードブルからデザートまでコース料理でその土地を表現、「テーブルの上の世界旅行をお楽しみください。」とはオーナーの言葉。
2026年 5月 Portugal
6月 Moldova
7月 Greece
ポルトガルワインって?モルドバってどこ?・・・Instagramを見てはその都度気になる、気になる・・・そして、7月のテーマ国は『ギリシャ』とのこと。未知なる国への憧れ、友人夫妻を誘い日曜日の夜に予約した。その前に少ーし、ギリシャについて下調べ、地図を眺めたりギリシャが舞台になっているジブリ映画『紅の豚』を観たり。

ワクワクを募らせながらその日がやって来た!
店内に入るとずらりと並ぶワイン、この『世界食堂』のプロデューサーは、ソムリエそしてワインバーのオーナーなのです。

店内に着き、席を案内されると、まずは世界地図を広げギリシャの位置を指し示してくれた後、ギリシャについて、ギリシャ料理についてのお話し。

エーゲ海を挟んでイタリア、イオニア海の向こうにはトルコが位置し、食においても、近隣諸国の影響を多く受けているとのこと。どんな食文化なのだろう・・・まずはワインを。私たちは、迷わずギリシャワインを注文した。そしてまずはオードブルから食の旅〜いざギリシャへ〜




1つ1つが味わい深く、エーゲ海の香り漂う〜 オリーブオイル、魚介類、野菜や香辛料、チーズ、ヨーグルトなどが存分に使われていて、何とも形容し難い、自分では味を再現できそうにない料理の一品一品だった。
一緒に行った友人夫妻との会話も弾み、もっぱら「ギリシャってどんな国?」「何が有名?」という話をしながら、食とワインを味わった。ギリシャと言えば・・・哲学者ソクラテス?ソクラテスって・・・「無知の知」を唱えた人?それって「自分が何も知らないということを知る、ということだった?」とか、オリンピックの始まりもギリシャね。それと何と言っても『ギリシャ神話』・・・と3人の好奇心が募るばかり。私もたまたまその日に読んでいた本の中で、医学の父ヒポクラテスがギリシャ人であることを知り、食しながらその話をした。1つのことへ関心を持つと、その話題が自分に飛び込んでくるものですね。
さて、『世界食堂』ではワインと食の楽しみに加えて、こんな粋な演出も。
「スタッフで一生懸命作った偽造パスポートです。」と手渡されたうすーーいパスポートは、各国のスタンプを自分で押すことになっている。

楽しぃ。こんなニクイ演出も旅心を満たしてくれる。
そして、この後の『世界食堂』は、台湾、南アフリカと続き10月はTurkey。年上の友人を誘い再び『世界食堂』、トルコへ。もちろんパスポート持参で。

季節が動き、中庭はすっかり秋色になっていた。
お客様が揃うと、「世界食堂へようこそ!」から始まったソムリエ&プロデューサーのM氏のお話は、私たちを飛行機に乗ってこれから離陸する心持ちにさせてくれた。M氏はまるでパイロットのよう。


ノンアルビールでもほろ酔い気分のランチの始まり。
トルコは
・日本の2倍の大きさであること
・西洋と東洋の文化が混じり合っているトルコには、“ヨーロッパトルコ“と“アジアトルコ“があること
・国内には22の世界遺産があること
・トルコ料理は世界の三大料理の1つであること
・ヨーグルト、ザクロ、スパイスなどが多用されること
・イスラム教圏の国、豚肉は食さず、アルコール類もあまり飲まないこと
など、ミニトルコ学が興味深かった。
そして、お食事の一品一品は・・・

にんじんとレンズ豆のスープも、鶏肉のシシケバブも、ピラフも満足のいく一皿一皿だった。運ばれてくる料理はその都度お話を添えてくれ、その中でもとりわけ心に残った無花果と胡桃のお話ー無花果の実が生長していく段階で実を少し切り胡桃を入れ込む。いわば同棲している状態で育ったのがこちら、と前菜の1つに出された一品はゴルゴンゾーラとハチミツ添え。折り重なる無花果と胡桃のマリアージュ、とでも言おうか・・・絶品だった。
こうして、大満足だったトルコの旅の後にも偽造パスポートにスタンプを手押ししてきた。そして世界食堂は11月6日からペルーへの旅へと移っていく。さて、最終月12月はどちらへ?
【世界食堂】
〒020-0827
岩手県盛岡市鉈屋町9-35 三喜亭内 啄木鳥亭